増改築等工事証明書とは?利用方法や節税対策について解説
住宅の増改築やリフォーム・リノベーションを行った際に、「増改築等工事証明書」という書類が必要になることがあります。この書類は、どのような場面で使用し、そもそも増改築等工事証明書とは何を証明するものなのでしょうか。そこで、今回は増改築等工事証明書の概要と利用方法、節税対策について分かりやすく解説します。
増改築等工事証明書とは
増改築等工事証明書とは、住宅の増築、改築、修繕などの工事が、住宅ローン控除やリフォームに関する税制優遇の対象となる工事であることを証明する書類です。
増改築等工事証明書は、以下の第三者機関に申請をすることで発行してもらえます。
- 建築士事務所に所属する建築士
- 指定確認検査機関
- 登録住宅性能評価機関
- 住宅瑕疵担保責任保険法人
申請時には、一般的に以下のような書類が必要になります。
- 工事請負契約書の写し
- 工事費用の内訳書
- 設計図書や工事内容が分かる資料など
- 必要書類は、発行機関や工事内容によって異なる場合があります。
増改築等工事証明書は何に使う?
増改築等工事証明書は、住宅ローン控除の適用を受ける際に使います。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住宅の取得や一定のリフォームを行った場合に、条件を満たせば住宅ローンの年末残高の0.7%が所得税から原則10年間控除(所得税から控除しきれない場合は住民税からも控除)される制度です。*
住宅ローン控除というと、「新築や中古住宅の購入時に使う制度」というイメージが強いかもしれませんが、一定の要件を満たす増改築・リフォームで住宅ローンを利用した場合(リフォームローン)にも適用されます。
住宅ローン控除を受けるには、
- 自己の居住の用に供する住宅であること
- 床面積や工事内容などの要件を満たすこと
- 合計所得金額が一定額以下であること
などの条件があります。適用可否は事前に確認しておくと安心です。
- 控除期間や借入限度額は、入居時期や住宅の種類、制度改正によって異なります。
リフォーム減税でも増改築等工事証明書を使う!
住宅の増改築やリフォームに住宅ローンを利用せず、住宅ローン控除が使えない場合でも、「住宅特定改修特別税額控除」や「固定資産税の減額制度」が利用できるケースがあります。
住宅特定改修特別税額控除とは、自己の居住用住宅に対して、耐震改修、省エネ改修、バリアフリー改修、同居対応改修、長期優良住宅化改修など、国が定める性能向上リフォームを行った場合に、工事費用の一部をその年の所得税から控除できる制度です。
控除額は、標準的な工事費用をもとに算出された額の10%等です。*1 固定資産税の減額制度については、一定のリフォームを行い、工事完了から3カ月以内に市区町村に申告すると、翌年度以降の一定期間、固定資産税が減額される制度です。例えば、一定の要件を満たし2026年3月31日までに耐震改修工事を行った場合、1戸あたりの床面積120m2まで固定資産税額(市区町村によっては都市計画税を含む)の2分の1(長期優良住宅の場合は3分の2)が減額されます。*2 どちらも、適用を受けるためには、工事内容が制度の要件を満たしていることを証明する書類として、増改築等工事証明書の提出が必要です。 リフォームの規模が大きい場合、住宅ローン控除とリフォーム減税を組み合わせて活用できるケースもあり、節税効果が大きくなることがあります。
- 控除対象となる工事費用の上限額や適用期限は工事内容や制度改正により異なります。
- 減額の対象となる床面積や軽減期間、軽減率は工事内容や制度改正、自治体の運用によって異なります。
増改築等工事証明書を取得する際の注意点
増改築等工事証明書があることで、住宅ローン控除やリフォーム減税などの税制優遇が受けられる可能性が広がりますが、証明書の発行には費用がかかります。
費用は、数万円程度かかることが一般的で、依頼先や工事内容によって金額や発行までの期間が異なります。工事内容の確認や書類のやり取りには時間がかかることもあるため、確定申告の直前に慌てて依頼するのは避けたいところです。
リフォームを検討する段階で、
- この工事は住宅ローン控除やリフォーム減税の対象になるのか
- 増改築等工事証明書はどこに依頼すればよいか
- 発行費用と発行までの期間はどれくらいか
といった点を整理しておくことで、スムーズに節税制度を活用できるでしょう。
- 制度について詳しくは、国土交通省・国税庁・市区町村のホームページ等でご確認ください。
- 本稿の内容は2026年2月17日時点の情報に基づきます。
せきぐち よしのり
- 2級フィナンシャル・プランニング技能士
- AFP(日本FP協会認定)
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[2025年11月17日現在]











